オモイデは数多くありますが、最近ワタシの頭をよぎっては消えるうたかたの記憶を。
それは、約一年前に当時の恋人と行った海。須磨の海。
それは私達が最初で最後に行った、海となった。
私は海で泳いだ経験が浅く、彼にずっとしがみついていました。
その時着てきた白いワンピースをほめてくれたことがうれしかったのに、
その約2ヶ月後、私達は別れました。
昼下がりの海の家で、私の膝枕で彼は眠った。
その頃にはすでにきっと、何かが満ちていたのでしょう。
私は苦しいことに無感覚になっていて、JRと阪急を乗り継いで深夜のタクシーに乗り、
西宮まで出掛けていた日々。卒論との闘いの日々。時間との闘いの日々。
思い出すとナミダが出そうになるけど、鮮やかにさわやかによみがえるひと夏のオモイデ。