目の前に小学校があったにもかかわらず、
我が家と隣の家にはちょうど学区の境目があり、
私は45分(小学生低学年の徒歩で計算)もかけて学校へ通っていました。
その通学路といったら、まさに山あり、谷あり、鉄橋あり。
初めて蛇を踏んづけたのも、私有地の森に入り込んで木イチゴを食べたのも、
草スキーをしたのも、防空壕の後で肝試しをしたのも、この通学路です。
鉄橋の下に通っていた線路の上では、図書館で借りた本を読むのが日課でした。
私が小学校へ通うずっと前から、本来の機能を失っていた線路。
あのでこぼこ加減が、当時の私のおしりにはちょうど良かった。
座って日が暮れるまで本を読んでは、母が心配してしばしば迎えに来てくれました。
まっすぐオウチに帰れない私の習性を培ったのはまさにこの通学路です。
私の大事なオモイデの場所です。