幼かった頃、キッチンの床の隅に座って夕飯を作っている母とお話をするのが大好きだった。仕事帰りで母は疲れているのに私は手伝いもせず、床に座りながら母を見上げ今日あった嬉しかったこと楽しかったことの出来事をずっと話していた。母はどんなに疲れていても私の話を笑顔で聞いてくれたのがとても嬉しかった。私はこの時間が大好きだった。ご飯が出来上がるころになるとまだお皿に盛られていないご飯をつまみ食いしては、話続けていた。
私が大きくなると母は「お話をしながらお手伝いをしてくれると早くご飯ができるのにな~」と言うようになった。それでもキッチンの隅は私のお話をする場所だった。
今でも実家に帰ったらキッチンの隅は私が母とお話をする場所。