一年間、東京駅の近くにある会社に勤めた。
出張ばっかりの日々だった。
名古屋へ。大阪へ。山梨へ。京都へ。
「新人」の私はいつも先輩の後にくっついていた。
新幹線、何分?あと2分?まにあわねーよ、走れ!
すいませんと小声で答えてひたすら走った。
山のような資料が重い。
スーツじゃ走りにくい。
タクシー券もってくるの忘れた。
この先輩、グリーン車希望だったっけ?(チケット手配間違えた...)
何も考えられない日々だった。
とても必死だった。
だけど、何かがひっかかっていた。
そんなに走って、何に間に合うんですか。
どこに行くんですか。
会社をやめた日、東京駅の電光掲示板がチカチカしてるのが目に沁みた。