思春期と呼ばれるころ、
いろんなことが嫌でたまらなかったけど
いちばん嫌なのは自分自身だった。
逃げられるものなら逃げたかったけど
どこへ行ってもなにをしていても離れられないから
消えてなくなりたいくらいだった。
なんでだったかは忘れたけど
学校から帰ると流し損ねた涙がぽろぽろ出てきて
止まらなくて部屋で枕に顔を埋めていた。
気付いたらいつの間にか母親が入ってきていて
「なにがあったか知らないけど…」から始まり
とんちんかんな話をし出した。
わたしはなにも話さなかったけど
気付いたら母が涙声になっていたので
ちらっとだけ顔をあげると母も泣いていた。
「なんでお母さんが泣くの?」と思ったけど
理由があろうがなかろうが
理由がくだらなかろうがそうじゃなかろうが
自分のために泣いてくれる人がいることは
それからずっとわたしの支えになった。
今でも。