高校2年。
特別仲の良いクラスではなかった。
仲の悪いクラスでもなかった。
きっと、所謂「団結力」とかそういうものがなかっただけ。
そこで過ごした1年間に、恋しく思う時間がある。
定期試験前になると、部活が休みになった。
私はいつも、教室に残って勉強した。
同じように残っていたのが他に5人。
男子も女子もいた。
そういえば、別のクラスの子も混ざってた。
私は自分の席に座る。
みんなは好きな場所に座る。
だけどなんとなく、教室の後ろの方が好きだった。
隣のクラスから、わいわいと賑やかな声がずっと響いていた。
でも、私たちの教室は静かだった。
ただひたすらに、それぞれの勉強をしていた。
その静かさが、心地よかった。
完全下校30分前。
誰かが伸びをする。席を立つ。誰かに質問をする。
それが合図。
全員ペンを置いて、お菓子を食べながらおしゃべりが始まる。
テストや勉強の話から、昨日見たテレビの話、家族の話。
どうでもいい話ばかりだった。
チャイムが鳴ったら、そこでおしまい。
数ヶ月に1週間だけあったあの時間。
静けさとおしゃべりを、今も時々思い出す。